紙オタクのオタク語り

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Vivy -Fluorite Eye's Song- の感想と考察

皆さんこんにちは、アイヤイヤーです。

少し遅いですが、先々週末にVivyを見終わり、久しぶりにめちゃくちゃ刺さったアニメだったので、感想とか考察とかを好き勝手に書いていきます。

ガッツリネタバレありで、早口オタクが熱量だけで語っているのでご注意下さい。


まだ、観てないよ!って方は、是非見てください。Abemaとかの無料期間は終わってしまいましたが、Amazonのprimeビデオでしばらくは全話見れます。
ジャンルとしてはSFで、原作が無いアニメオリジナルですが、昔ながらの骨太SFが味わえます。

アニメ公式サイト

https://vivy-portal.com/







1.Vivyの好きなシーン4選
2.「こころ」とは?彼女達に「こころ」はあったのか?








1.Vivyの好きなシーン4選

Opとかももちろん好きですが、好きなシーン四天王(龍造寺では無いため本当に4つ)に絞り込みました。

①6話終盤

Sing My Pleasureが流れ出す前辺りから、作画がとにかく凄いです。そもそもデフォルトで絵が綺麗なのですが、マツモトが変形して飛んでくのとか、The SF感があって非常に好きです。

ストーリーとしても、ここら辺からヴィヴィが、明確にシンギュラリティ計画の遂行を望んでいくようになります。

ラストの場面では、冴木博士の自殺により、左手は人の血の赤、右手はAIの青に染まります。左と右、青と赤、人とAIといった単純な対比だけでなく、ヴィヴィが守れなかった(止められなかった)と自らの手で停止させた、絶望による死と受け入れた停止(と表情から思われ)等様々な対比が想像出来ます。
この作画天才か·····????



②9話ラスト

オフィーリア編を通し、マツモトがディーヴァの使命に理解を示し、大きくヴィヴィに歩み寄ります。

「こころ」を込めるについて、8話では必要性を感じてないと切り捨てていますが、9話ラストでは、答え合わせがまだであることを指摘します。(ここは引き止めたい故だと思いますが)

この手の約束、物を貸す等は物語ではよくあるやり取りですが、ヴィヴィは自分の歌がその答えであると述べ、使命を果たして消えていきます。

パートナーとの約束を、自分の使命を全うすることで守る(遂行する)の尊い·····

ヴィヴィがラストステージで、自分の歌が完璧以上な理由としてあげている、ようやく見つけた歌声に足りなかったもの=(恐らく)マツモトなのも良い

挿入される劇中歌の「Harmony Of One's Heart」ですが、歌詞(下記リンク参照)を見ると、最初のあなた=マツモトに思われますが、最後の方を見るとヴィヴィとディーヴァの関係性も含んでいるように感じます。


https://sp.uta-net.com/song/304189/




③13話での出撃前のマツモトとのやり取り

マツモトの歌えるんですね?から始まる一連のやり取りです。
因みに松本博士の犠牲ですが、ヴィヴィとマツモトが手分けすれば助けられた感があるので、もう一度やり直し出来ないようにするシステム的な退場感が強いですね·····。

ディーヴァの癖の指パッチンから彼女がヴィヴィの中で生きていること、マツモトに対し、明確に自分の意思で冗談(嘘)をつくところからマツモトの影響を感じますね。(ユズカに対しても名前を偽っていますが、シンギュラリティ計画遂行のため故のものであり、自分の意思でついた訳では無い思います)


歌える、歌えないについて、マツモトは序盤では不確定要素を嫌い、一か八かではなく、1か0か(データとして)として、合理的に判断することを求めていました。
歌える、歌えないは本来なら不確定要素であり、マツモトがヴィヴィは歌えると確信している(信じている)or一か八かがあっても良いと思うようになったの2択が考えられます。(恐らく前者ですが、)どちらにせよ2人(体)の関係性の変化が、改めて感じられる名場面です。




④13話ラストの停止プログラムの実行

停止プログラムがヴィヴィの自作の歌であるため、ここに来て「歌で皆を幸せにする」使命と「シンギュラリティ計画の遂行」が全く同じ方向を向きます。
また、「こころ」を込めることを「思い出と一緒に歌う」ことと定義しました。

最終的にヴィヴィは停止プログラムを歌いながら停止していきます。

最後までヴィヴィは「使命」を果たしていきます。思えば、シスターズであるエステラとエリザベスはライフキーパーとしてそれぞれの守るべき対象の(それぞれお客とユウゴ)生命を守っています。グレイスは途中で使命を変更されますが、どちらも最後まで使命を守っていたように思われますし(メタルフロートでのラストは停止プログラムの影響を受けているのでなんとも言えませんが)、オフィーリアもアントニオによって上書きされるまでは、皆(アントニオ)を歌で幸せにしようとしていました。


ED後の時間が経過した場面では、マツモトが目覚めたばかりのヴィヴィに名前がディーヴァではなく、ヴィヴィであり、「歌で皆を幸せにする」ことが使命だと伝えています。本来、偽名であるヴィヴィの使命は「シンギュラリティ計画の遂行」であったため、改めてシンギュラリティ計画が完遂したこと、作品を通してディーヴァ名付けられた1体のAIが、ヴィヴィという名前の1人になったことが想像出来ます。

また、歌を聞かせて欲しい、お待ちかねの皆(観客)にマツモト自身が含まれている喋り方ですね。





2.「こころ」とは?彼女達に「こころ」はあったのか?

既に出てきましたが、作品のラストでヴィヴィ(ディーヴァではなく)は「こころ」を込めることを「思い出」と一緒に歌うこと、と定義しました。

歌うことはディーヴァの「使命」が絡んでいるため、「思い出」と「使命」が「こころ」を持つために大事だと解釈することが出来ます。

そう考えると、大量のAIの記憶(思い出)を、名前通り(使命通り)に蓄積したアーカイブに、自我=「こころ」が宿ったことも説明できます。


「こころ」=「思い出」+「使命」がトリガーなると仮定すると、

エステラは前オーナーとの「思い出」、ライフキーパーとしてお客様を笑顔にする「使命」

エリザベスはマスターであるユウゴに助けられた「思い出」、マスターを守る「使命」

グレイスは正史では結婚をしています。エステラやオフィーリアの件とは違い、誰かに操られていた訳では無いため、これがAIにとって初だとすれば、「こころ」を得たからだと推測できます。正史での推測となるため難しいですが、遮られなかったプロボーズ等冴木博士との「思い出」、人間の命を助けるという「使命」の助けになることがトリガーでしょうか?
また、可能性は低いものの、冴木博士と再開時にサプライズをしており、正史や修正史に関係なく「こころ」を得ている可能性もあります。

オフィーリアはアントニオとの上書き後になりますが、様々な場所を回った「思い出」、皆(アントニオ)を歌で幸せにする「使命」が合わさり、最後に自我(こころ)を取り戻したと解釈できます。(マツモトの攻撃によってアントニオの割合?が減った、消滅寸前なことも大きいと思いますが)


となり、作中に登場した各編のメインキャラ(シスターズ)も全員、「こころ」を獲得していたと考えられます。(ディーヴァは本人も言っているのでもちろん含まれます)


「思い出」≒記憶は人間にとっても、「こころ」≒感情と密接な関係にあり、(現実の)人間と(作中の)AIが近い存在であることがイメージ出来ます。







今回はここまでです。
100年に渡るシンギュラリティ計画、「こころ」等の設定により、AIであることにしっかりした意味づけがなされていたのが、非常に好感的でした。
久しぶりに、自分の中のアニメベスト5に入る良作だったため、心の赴くままに記事を書きなぐりました。
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@WIXOSSAIYAI