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竜とそばかすの姫の感想~(美女と野獣+サマーウォーズ)÷4~

皆さんこんにちは、アイヤイヤーです。



アマプラで、竜とそばかすの姫を観ました。

細田守監督の作品は主要なものは全部観ていますが、本作は面白くないなと感じました。
その理由が結構長くなるため、記事にしている次第です。


以下ネタバレを含むので、未視聴の方はご注意下さい。





1.良かった点
2.悪かった点
2.1.キャラクター
2.2.設定
2.3ストーリー
3.終わりに






1.良かった点


悪かった点が多いですが、もちろん良かった点、この映画の魅力と言える点もあります。

良かった点は2つです。

①映像(背景)が綺麗

②エンドロールへの入り方



①映像(背景)が綺麗
映像描写、特に背景描写が非常に素晴らしいです。

特に、人物が画面の大半を占めていない、引き気味のシーンでの背景は圧巻です。



②エンドロールの入り方
合唱クラブで歌うという形で、エンドロールとなります。

合唱クラブで歌う際には隅っこにいた鈴ですが、皆の中心となって歌っている姿が、本作の成長の証と言えます。



音楽も本作の魅力としてあげられることが多いですが、個人的には普通よりやや良い位の印象でした。





2.悪かった点


悪かった点としては、大別するとキャラクター、設定、ストーリーのそれぞれに問題があると思います。

細かい点まで含めると、あまりにも数が膨大になるため、特に気になった部分のみに絞っていきます。


2.1.キャラクター


キャラクターに関して、気になったのは

①主人公の性格

②友人達の舞台装置化

③竜の父


の3つです。


①主人公の性格


主人公は冒頭で母親を無くしており、それがトラウマとなって現実では満足に歌えなくなっています。

その関係で父親との仲も疎遠であり、親友であるヒロちゃんからも気を使われる事があります。


そんな、過去に痛みを抱えた主人公であり、マスコミまで行ったかはは分かりませんが、周囲の人々の好奇の視線に傷ついたことは間違いありません。

それにも関わらず、ほぼ初対面の頃から竜に正体を聞き、竜の正体を知ろうとヒロちゃんと行動します。


過去に他者によって、心を踏みにじられ、傷つけられた割に、他者の心に土足で踏み入るような印象を感じました。


特に、イェリネクさんと通話したりするシーンでは、あの時点では恋人を失ったばかりと思われるイェリネクに詰め寄るヒロちゃんに対して、前後のシーンで止めたり、咎めたりする描写が一切ないのが気になりました。


bellが人気なるまでの、なろう的な過程も含めて、鈴に共感することが難しくなりました。




②友人達の舞台装置化


合唱団、ペギスーなどにも言えますが、登場したキャラクターの深掘りがかなり少ないように感じられます。

例えば、初めて知君達と連絡を取るシーンでは、しのぶくんが鈴との思い出の場所である小学校に行くのは理解出来ますが、カミシンやルカちゃんのそう言えば·····、から同行する流れは、後のマンション場所を特定する為の進行上の都合に思われてなりません。


各キャラクターが、その人間性について深掘りされることなく、明らかにストーリー進行上の為に与えられた役割をこなしていく様が、主人公の性格と合わせて、ストーリーに共感することを難しくしているように感じました。




③竜の父


物語の終盤で、鈴は竜の父と対峙することになります。

一歩も引かない鈴の態度に気圧され、怖いものでも見たかのように逃げ出す竜の父ですが、この行動に違和感を感じました。


ストーリーの内容を考えれば、他の表面上心配する人々違い、兄弟に本当に向き合った、鈴の本物の強さに気圧されたと考えられます。

しかし、竜の父は、これまでに何度も周囲から注意を受けながらも、竜達に虐待を続けてきた人間な訳です。

そんな人物が、高校生のような小娘に怯むでしょうか?
仮に一時的に怯むことはあれど、一瞬でも怯んだ(鈴が正しいのでは無いか?と思った)ことを打ち消す為、怒りによって拳を振り下ろす方が自然に思われます。


ここで、我に返り自分の行動を反省し、怖いものを見たかのように逃げ出す人が、これまでのような振る舞いを行うでしょうか?





2.2.設定


設定に関しても

①技術水準

②強さの基準

ジャスティンが持つアンベイルする装備


の3つが特に気になりました。



①技術水準


Uは、視覚用デバイスを必要とせず、耳に装着するデバイススマホだけで肉体的ダメージまで反映と、明らかに今よりも未来の技術です。(少なくとも10年程度)


しかし、鈴の家、学校や街並みには現在と大きく異なる点が存在しません。


Uの技術について深掘りしていないとこもあり、Uという明らかに場面にそぐわない最先端技術が浮いているように思います。


Uはストーリーに根幹に関わるものであり、もっと丁寧に説明されるべきだったと思います。

正直、制作側がU内のストーリーを作るために、雑にUの設定を現代にぶち込んだように思えてなりません。



②強さの基準


本作では、強さの基準が曖昧になっています。

作品の内容的には、Uのボディシェアリングによる、内なる自分の思いや才能に依存する訳です。


言ってしまえば、実は〇〇だったでいいなら、なんでもアリになってしまう訳です。


作中でジャスティン率いるAsと竜の戦闘が度々あったり、竜の369-3-2という武術館での戦績の根拠がこれな訳ですが、竜に負けた人は基本的に竜より隠された才能が無いor抑圧された強い思いが無いとなる訳ですが、特に武術をやっている訳でも無い少年にしてはやり過ぎではないでしょうか?


本作の設定にするなら、もっと竜を弱くし、ある程度年相応、才能相応の強さにするべきだったと思います。




ジャスティンが持つアンベイルする装備


アンベイルする装備について、ジャスティンは創造主ボイシスのみが持つ権限と同じものと言っています。


では、なぜ多くのスポンサーが居るとはいえ、あくまで1Asにしか過ぎないジャスティンが所持しているのでしょうか?


これについて、本作では説明が全くありません。

明らかに1Asが持つには過ぎたるものであり、ジャスティンが有名Asである以上、ボイシスが認知していないというのも無理があります。


ボイシスはジャスティンの存在を知りながら、正義厨の様なその行動を容認しているということでしょうか?

それなら、Uの中に警察のような組織をボイシスが必要と無いと考えているのが矛盾しますが·····。







2.3.ストーリー


最後にストーリー関してですが、これは

①ストーリーの主軸となる竜の正体

についてのみです。



①ストーリーの主軸となる竜の正体


竜がライブ会場に突入していこう、竜は誰なのか?が主軸となって、ストーリーが進行していきます。


まず、主軸が鈴とその周りの話ではなく、竜の正体についてになってしまたのが、これまでに述べた周りのキャラの掘り下げの浅さの原因でもあります。


竜の正体についても、何らかしらの凄い人物で、そのスキルによって異常な強さを誇っていた!みたいなインパクトもありません。



竜のオリジンである恵についても、竜に関する情報を追っている際に知や父親と写っているシーンがあり、その前の知の意味シーンなセリフ(竜は僕のヒーロー)や竜に似た恵の姿から、なんとなく予想が出来てしまいます。


本作の視聴者の興味を引くべき竜の正体が、興味を引くのに足りなかったのかなと思います。









3.最後に


言ってしまえばではありますが、個人的には鈴の母親も結構自分勝手だったなと思います。

泳ぎに自信があるとはいえ、子供を持つ身でありながら、日常生活レベルを遥かに超える危険に身を晒すのは、決して褒められるべき行いではないと思います。、



今回はここまでです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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